
クリニックの開業準備では、スタッフを何人採用すればよいのか、どのくらいの人件費を見込めばよいのか、悩む先生も多いのではないでしょうか。
患者さんに安心して通ってもらえる環境を整えるためには、スタッフの確保が欠かせません。一方で、人件費は高ければよいというものではありません。
大切なのは、売上に対して無理のない範囲で、必要な役割を適切に配置することです。
人件費は売上とのバランスで考える
クリニックの人件費は、目安として売上の20〜30%程度を参考にすることがあります。
ただし、この割合は診療科目や診療体制、スタッフの配置などによって異なります。そのため、一律の基準として考えるのではなく、自院の運営計画に合わせて検討することが重要です。
特に注意したいのが、開業直後の人件費です。
開業してすぐに患者数が安定するとは限りません。患者数が少ない時期でも給与などの支出は継続するため、最初から多くのスタッフを採用すると、経営上の負担が大きくなる可能性があります。
将来的な患者数の増加を見込むことは大切ですが、まずは開業初期の収支を踏まえた人員計画を立てましょう。
採用人数は業務内容から逆算する
スタッフを採用する際は、単純に人数を決めるのではなく、クリニックの運営に必要な業務を整理することが大切です。
例えば、主な業務には次のようなものがあります。
- 受付業務: 患者さんの受付、予約対応、問い合わせ対応
- 会計業務: 診療費の会計、請求に関する業務
- 診療補助: 診察や検査が円滑に進むためのサポート
- バックヤード業務: 書類整理、備品管理、その他の事務作業
これらの業務を誰が担当するのか、どの時間帯に人手が必要なのかを事前に整理しておくことで、必要なスタッフ数が見えやすくなります。
また、業務を兼任できる体制にするのか、専門の担当者を配置するのかによっても、人件費は変わります。
ただし、人件費を抑えることだけを優先し、人員が不足してしまうと、待ち時間の増加やスタッフの負担につながる可能性もあります。診療の質や働きやすさとのバランスを考えることが重要です。
採用は人数合わせではなく、運営設計から考える
開業時に必要なのは、単に多くのスタッフをそろえることではありません。
どのような診療体制にするのか、どの業務に何人必要なのか、そして売上に対して無理のない人件費に収まるのか。
こうした点を整理したうえで、必要な人員を確保することが大切です。
開業当初は必要最小限の体制からスタートし、患者数や業務量の増加に合わせて採用を検討する方法もあります。
人件費は、開業後の経営を左右する重要な固定費の一つです。
採用人数を先に決めるのではなく、クリニックの運営設計から逆算して人員計画を立てていきましょう。