
クリニックの開業を考えるとき、多くの先生が気になるのが「融資」です。
「この開業にかける想いをしっかり伝えれば、金融機関にも分かってもらえるはず」
そう考える先生もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、開業への熱意や想いは大切です。
ただ、融資の審査で重要になるのは、それだけではありません。
金融機関が確認したいのは、
「この事業計画で、本当に返済していけるのか」
という点です。
売上予測に根拠があるか
事業計画を作るとき、最初に確認したいのが売上の見込みです。
「1日○人くらい来院するだろう」
「近隣に住宅が多いから患者さんは集まるだろう」
という感覚だけではなく、
・診療圏の人口や年齢構成
・競合となる医療機関の状況
・診療時間や診療日数
・診療単価
・1日あたりの想定患者数
など、具体的な根拠をもとに考える必要があります。
特に開業直後から、理想的な患者数を前提にしてしまうのは注意が必要です。
固定費が重すぎないか
売上だけではなく、「毎月いくら出ていくのか」も重要です。
家賃、人件費、リース料、システム費用、広告費など、開業後にはさまざまな固定費が発生します。
売上が想定を下回った場合でも、これらの支払いを続けられる計画になっているか。
ここまで考えておくことが大切です。
集患まで設計できているか
もう一つ重要なのが、「患者さんがどうやって来院するのか」という視点です。
ホームページ、Google対策、内覧会、看板、地域への周知など、開業前から開業後にかけて、どのように認知を広げていくのか。
単に「患者さんが来る」という前提ではなく、患者さんに知ってもらい、来院につなげるための動きまで考えておく必要があります。
事業計画は「融資を通すためだけ」のものではない
事業計画というと、金融機関に提出するための資料というイメージがあるかもしれません。
しかし、本来はそれだけではありません。
開業後にどれくらい売上を作り、どれくらい経費がかかり、どのタイミングで経営が安定していくのか。
そこまでイメージできる事業計画にしておくことで、開業後の経営にも活かすことができます。
融資で大切なのは、きれいな資料を作ることではありません。
「この計画なら、開業後も無理なく経営を続けられる」
そう説明できる状態まで、計画を具体化しておくことが大切です。