
クリニックの開業を考えるとき、「いつ頃から黒字になるのか」は、多くの先生が気になるポイントではないでしょうか。
開業すれば、すぐに患者さんが増えて売上が安定する。
そう考えてしまいがちですが、実際には、開業直後から想定通りの患者数を確保できるとは限りません。
一般的には、黒字化までの期間を3ヶ月〜6ヶ月程度を一つの目安として考えることがあります。
ただし、これはあくまで目安です。
診療科目によって患者さんの集まり方は異なりますし、立地や周辺の競合状況、地域での認知度、開業前後の集患活動によっても大きく変わります。
注意したいのは「黒字化が遅れたとき」
黒字化そのものよりも、想定より黒字化が遅れた場合にどう対応できるかが重要です。
たとえば、開業当初の患者数が想定を下回った場合、売上が思うように伸びない一方で、家賃や人件費、リース料、システム費用などの固定費は毎月発生します。
その状態が続くと、手元資金が徐々に減っていきます。
そして、資金に余裕がなくなってくると、「もっと広告を出したい」「スタッフを採用したい」「必要な設備を導入したい」と思っても、必要な対策にお金をかけにくくなってしまいます。
だからこそ、開業時には「予定通りにいった場合」だけではなく、「患者さんが想定より少なかった場合」まで考えておくことが大切です。
黒字化は「開業後」ではなく「開業前」から考える
黒字化は、開業してから頑張れば何とかなるものではありません。
開業前の段階で、どのように患者さんにクリニックを知ってもらうのか、どのくらいの患者数を目指すのか、どれくらいの運転資金を確保しておくのか。
こうしたことを具体的に考えておくことで、開業後の経営には大きな差が出ます。
ホームページやGoogle対策、看板、内覧会、地域への周知など、開業前から準備できる集患施策もあります。
また、黒字化までに時間がかかることを前提に、十分な運転資金を確保しておくことも重要です。
「いつ黒字になるか」だけではなく「黒字になるまで耐えられるか」
クリニックの開業では、「何ヶ月で黒字になるか」を考えることも大切です。
しかし、それ以上に重要なのは、想定より黒字化が遅れたとしても、経営を続けられる資金計画になっているかということです。
開業直後から順調に患者さんが増えるとは限りません。
だからこそ、少し厳しい状況も想定したうえで、集患計画と資金計画を組んでおく。
それが、開業後の経営を安定させるための大切な準備になります。